亜熱帯の東京には恐ろしくてあまり行きたくはないのだけれど、これは見ておかなければという展覧会が同時に3つも開催されていたので、重い腰を上げることにした。
まずは、国立トレチャコフ美術館展「忘れえぬロシア」。
本物のトレチャコフの常設展に比べたら微々たる量の展示だが、目下自分にとって最も関心のある「風景」がいくつかあり、たいへん参考になった。今後の研究の方向性も少し見えてきたので、有り難い展覧会だった。
次に、「革命とファッションーー亡命ロシア、美の血脈」。
アレクサンドル・ヴァシーリエフの『流転の美』(1998)は、出版された当時15,000円近い値段で、買うかどうかさんざん迷った挙げ句、貴重な図版の数々があまりにも美しくて手放せなくなり、とうとう本棚の一画を占めることになったので、思い入れのある本だ。そのヴァシーリエフのコレクションの現物を見ることができるすばらしい展覧会だった。亡命ロシア人のブティックと亡命先の顧客との関係には、さまざまな想像をかきたてられた。これもまた今後の自分の研究にひとつの方向性を与えてくれた。
そして、「エカテリーナ2世の四大ディナーセット」。
かつてペテルブルグの美術について考察した際、エカテリーナ2世の美術コレクションについて触れたことがある。(「ペテルブルグの芸術──美術都市と反コンセプチュアリズム」) 今回の展覧会で再認識したのは、陶磁器の所有が啓蒙主義と結びついていたことだった。ウェッジウッドの購入がイギリスへの近代工業への憧れとも関係していたのだから、これは後のダーウインの登場とロシアにおける進化論にもつながっていった可能性もありえる。食器に描かれている風景もまたイギリスであり、その風景がロシア人の視覚表象に与えた影響も見逃せない。
3つともたいへん興味深い、刺激的な展覧会だった。昔ならどれを見てもつまらなかっただろう展覧会をこうしていくらでも楽しめるようになっているのだから、長生きはするもんだな、とつくづく思った次第である。
2009年05月27日
2009年01月14日
腱鞘炎
右肘に痛みを感じ始め、それがやがて激痛に変わったのが昨年8月のことだった。右肘を庇いながら仕事をしていると、痛みはやがて左肘にまで広がった。テニス肘、ゴルフ肘などとも呼ばれるこの腱鞘炎の原因ははっきりしていた。昨年春から毎日のように原稿を書き、書類を書き、キーボードを打ち続けていたせいだ。要するに働きすぎである。
まるで時間的ゆとりのない日々、とぎれることない仕事、それは自ら望んだことが原因の一つであり、まったく望みもしないこともまた原因の一つだった。複合的な理由により、ブログを書くどころではなかったのだが、この間、「書く」という行為そのものについてずっと考え続けていた。
最近になってようやく肘の痛みも落ち着いてきた。年末年始にかけて、10日間ほどキーボードに触れることもなく、年賀状を書く以外にはペンを握ることさえしなかったからだ。その後も、できるだけ「書く」ことをしないようにしたかったのだが、仕事が始まってしまえば元の木阿弥で、肘の痛みはかなり軽減したものの今度は左肩に激痛が走り、毎日湿布が欠かせない。
「書く」という行為や身体性について考えるようになったことで、ようやくヴィジュアル・ポエトリーに対する視座が開けてきたような気がする。このことについては、別のところであらためて書き始めたところだ。4月には活字になるだろう。
同時にパソコンのない暮らしを模索し始めた。パソコンやネットから離れた世界で、「書く」ことの意味を問うとは、一体どういうことなのだろう。
まだ肘は痛んでいる。
まるで時間的ゆとりのない日々、とぎれることない仕事、それは自ら望んだことが原因の一つであり、まったく望みもしないこともまた原因の一つだった。複合的な理由により、ブログを書くどころではなかったのだが、この間、「書く」という行為そのものについてずっと考え続けていた。
最近になってようやく肘の痛みも落ち着いてきた。年末年始にかけて、10日間ほどキーボードに触れることもなく、年賀状を書く以外にはペンを握ることさえしなかったからだ。その後も、できるだけ「書く」ことをしないようにしたかったのだが、仕事が始まってしまえば元の木阿弥で、肘の痛みはかなり軽減したものの今度は左肩に激痛が走り、毎日湿布が欠かせない。
「書く」という行為や身体性について考えるようになったことで、ようやくヴィジュアル・ポエトリーに対する視座が開けてきたような気がする。このことについては、別のところであらためて書き始めたところだ。4月には活字になるだろう。
同時にパソコンのない暮らしを模索し始めた。パソコンやネットから離れた世界で、「書く」ことの意味を問うとは、一体どういうことなのだろう。
まだ肘は痛んでいる。
2008年05月26日
現代ジャズ文化研究プロジェクト第5回研究会
サントリー文化財団の研究助成による研究プロジェクト「現代ジャズ文化研究ーーヨーロッパ・ジャズを中心とする比較文化論的考察」第5回研究会を開催しますので、お知らせします。
日時:6月1日(日)午後2時より(午後5時までを予定。終了後は懇親会となります)
場所:世界史研究所(渋谷駅から徒歩3分)
地図等はこちらです。
http://www.history.l.chiba-u.jp/~riwh/japanese/index.php?catid=5&subcatid=8
報告
副島輝人「メールス・ジャズ祭とは」
報告と質疑応答をあわせて3時間程度を予定しています。皆様の積極的な発言に期待しております。研究会終了後は懇親会も開催致しますので、ふるってご参加下さい。
なお、参加費は無料ですが、参加される場合は必ず事前にご連絡ください。また、懇親会に出席される方は、5月29日(木)午後11時までに、必ず出欠をお知らせ下さい。懇親会費は1500円程度です。当日の差し入れなどは大歓迎です。
問い合わせ先
鈴木正美 TEL&FAX 025-262-7254
メール masami の後に @human.niigata-u.ac.jp を付して下さい。
http://www.human.niigata-u.ac.jp/~masami/suntory/kai00.htm
日時:6月1日(日)午後2時より(午後5時までを予定。終了後は懇親会となります)
場所:世界史研究所(渋谷駅から徒歩3分)
地図等はこちらです。
http://www.history.l.chiba-u.jp/~riwh/japanese/index.php?catid=5&subcatid=8
報告
副島輝人「メールス・ジャズ祭とは」
報告と質疑応答をあわせて3時間程度を予定しています。皆様の積極的な発言に期待しております。研究会終了後は懇親会も開催致しますので、ふるってご参加下さい。
なお、参加費は無料ですが、参加される場合は必ず事前にご連絡ください。また、懇親会に出席される方は、5月29日(木)午後11時までに、必ず出欠をお知らせ下さい。懇親会費は1500円程度です。当日の差し入れなどは大歓迎です。
問い合わせ先
鈴木正美 TEL&FAX 025-262-7254
メール masami の後に @human.niigata-u.ac.jp を付して下さい。
http://www.human.niigata-u.ac.jp/~masami/suntory/kai00.htm
2008年03月11日
граница искажается
У нас бесчисленные голоса, глаза, носы, сосуды, языки и кожи. Где ж безграничные тела меж нами в этих космосах похожих? Граница медленно и стойко искажается...
Земля звучит, деревья видят нас
И травы слушают предел изогнут...,
Полы шепнут, целуют окна вас
И стены вкушены рубеж же искажается...,
Нога сознания и мысли рук,
Сосуд души межи быть может искривленным:
Пространства голоса, времен глаза,
Пустоты тел граница искажается…
Земля звучит, деревья видят нас
И травы слушают предел изогнут...,
Полы шепнут, целуют окна вас
И стены вкушены рубеж же искажается...,
Нога сознания и мысли рук,
Сосуд души межи быть может искривленным:
Пространства голоса, времен глаза,
Пустоты тел граница искажается…
2008年02月20日
日常への復帰
いつだって「こんなことをしている場合ではない」状態。倒れる暇はない。書かなければ。
昨日、リトアニアからの客人が無事帰国しても、思考はそのままリトアニアだ。ヴィリニュスにできたヨーナス・ミャーキャス(ジョナス・メカス)・ヴィジュアル・アート・センターの資料と同センターからリリースされた"Zefiro Torna; Scenas From The Life Of George Marcius"(1952-1978)を見たら、 まさしくこの状態。
リトアニアといったらレヴィナスだろう。全体性と無限から「われわれ」を再検証するために、複数にして単数の存在へと一気に思考をとばさなければ。吉増剛造の映像作品を見て以来、ジャン=リュック・ナンシーが常に机上にある。そこから発せられる光に目を細めながら…。しかし、言葉はロシアの「こころ」を探るという課題が与えられている。ここ1週間はこれで手一杯。
まだ体熱を下げてくれない風邪と格闘しつつ…、だが意識はますますはっきりと「どこにもないどこかからの手紙」を手探りで読もうとしている。
昨日、リトアニアからの客人が無事帰国しても、思考はそのままリトアニアだ。ヴィリニュスにできたヨーナス・ミャーキャス(ジョナス・メカス)・ヴィジュアル・アート・センターの資料と同センターからリリースされた"Zefiro Torna; Scenas From The Life Of George Marcius"(1952-1978)を見たら、 まさしくこの状態。
リトアニアといったらレヴィナスだろう。全体性と無限から「われわれ」を再検証するために、複数にして単数の存在へと一気に思考をとばさなければ。吉増剛造の映像作品を見て以来、ジャン=リュック・ナンシーが常に机上にある。そこから発せられる光に目を細めながら…。しかし、言葉はロシアの「こころ」を探るという課題が与えられている。ここ1週間はこれで手一杯。
まだ体熱を下げてくれない風邪と格闘しつつ…、だが意識はますますはっきりと「どこにもないどこかからの手紙」を手探りで読もうとしている。
2008年02月06日
リトアニア・ジャズ特集
前回お知らせした2月11日の研究会に先立ち、渋谷アップリンクで「ロシア・ジャズ再考」Vol.4 リトアニア・ジャズ特集を開催します。
アンタナス・ギュスティス氏をスペシャル・ゲストにお迎えし、私が1995年に撮影したヴィリニュス・ジャズ祭の映像をお見せします。この映像上映はアップリンクだけの企画ですので、是非おいでください。
2/8(金)開場/19:00開演/19:30
入場料金:¥1980(1ドリンク付)
http://www.uplink.co.jp/factory/log/002455.php
アンタナス・ギュスティス氏をスペシャル・ゲストにお迎えし、私が1995年に撮影したヴィリニュス・ジャズ祭の映像をお見せします。この映像上映はアップリンクだけの企画ですので、是非おいでください。
2/8(金)開場/19:00開演/19:30
入場料金:¥1980(1ドリンク付)
http://www.uplink.co.jp/factory/log/002455.php
2008年02月03日
現代ジャズ文化研究プロジェクト第3回研究会
今年になってからあまりにも目まぐるしく、大量の雑務と書類に追いかけ回されている。悪夢の方がまだましだ。それでも締め切りだけはやってくるので、その度に徹夜となる。音楽もろくに聞いていないし、本もほとんど読んでいない。メールの山に対応するだけで手一杯で、それ以外にネットを利用することもない。世の中どうなっているのかさっぱりわからない。自分の足もとが見えていないので、きっと周囲にたくさんの迷惑をかけていることだろう。
これ以上書いても愚痴になるので、とりあえず大事なお知らせだけしておきます。
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2007年度 サントリー文化財団 人文社会、社会科学に関する研究助成
「現代ジャズ文化研究ーーヨーロッパ・ジャズを中心とする比較文化論的考察」第3回研究会を開催します。
日時:2月11日午前11時より(午後1時40分までを予定。終了後は別会場で懇談会となります)
場所:世界史研究所(渋谷駅から徒歩3分)
今回はヴィリニュス・ジャズ・フェスティバルのディレクター、音楽プロデューサーとしてヨーロッパのジャズ界を代表するアンタナス・ギュスティス氏をお招きします。日本ではほとんど誰も知らないリトアニアの音楽文化に関する貴重な講演です。
講演
アンタナス・ギュスティス「リトアニアのジャズ文化」
問い合わせ先
鈴木正美 TEL&FAX 025-262-7254
メール masami の後に @human.niigata-u.ac.jp を付して下さい。
詳細:http://www.human.niigata-u.ac.jp/~masami/suntory/kai00.htm
これ以上書いても愚痴になるので、とりあえず大事なお知らせだけしておきます。
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2007年度 サントリー文化財団 人文社会、社会科学に関する研究助成
「現代ジャズ文化研究ーーヨーロッパ・ジャズを中心とする比較文化論的考察」第3回研究会を開催します。
日時:2月11日午前11時より(午後1時40分までを予定。終了後は別会場で懇談会となります)
場所:世界史研究所(渋谷駅から徒歩3分)
今回はヴィリニュス・ジャズ・フェスティバルのディレクター、音楽プロデューサーとしてヨーロッパのジャズ界を代表するアンタナス・ギュスティス氏をお招きします。日本ではほとんど誰も知らないリトアニアの音楽文化に関する貴重な講演です。
講演
アンタナス・ギュスティス「リトアニアのジャズ文化」
問い合わせ先
鈴木正美 TEL&FAX 025-262-7254
メール masami の後に @human.niigata-u.ac.jp を付して下さい。
詳細:http://www.human.niigata-u.ac.jp/~masami/suntory/kai00.htm
2008年01月22日
現代ジャズ文化研究プロジェクト第2回研究会
サントリー文化財団の研究助成による研究プロジェクト「現代ジャズ文化研究ーーヨーロッパ・ジャズを中心とする比較文化論的考察」第2回研究会を開催しますので、お知らせします。
日時:1月27日午後2時より(午後5時までを予定。終了後は懇親会となります)
場所:世界史研究所(渋谷駅から徒歩3分)
地図等はこちらです。
http://www.history.l.chiba-u.jp/~riwh/japanese/index.php?catid=5&subcatid=8
報告
岡島豊樹「モスクワ自由音楽の巨匠セルゲイ・レートフと名所ドムなど」
鈴木正美「ロシア・ジャズ研究の現状と課題」
報告と質疑応答をあわせて一人1時間30分程度を予定していますが、できるだけ討論に時間を割けるようにしたいと思います。皆様の積極的な発言に期待しております。研究会終了後は懇親会も開催致しますので、ふるってご参加下さい。
なお、参加費は無料ですが、参加される場合は必ず事前にご連絡ください。また、懇親会に出席される方は、1月24日(木)までに、必ず出欠をお知らせ下さい。懇親会費は1500円程度です。当日の差し入れなどは大歓迎です。
問い合わせ先
鈴木正美 TEL&FAX 025-262-7254
メール masami の後に @human.niigata-u.ac.jp を付して下さい。
プロジェクトのサイト:http://www.human.niigata-u.ac.jp/~masami/suntory/kai00.htm
日時:1月27日午後2時より(午後5時までを予定。終了後は懇親会となります)
場所:世界史研究所(渋谷駅から徒歩3分)
地図等はこちらです。
http://www.history.l.chiba-u.jp/~riwh/japanese/index.php?catid=5&subcatid=8
報告
岡島豊樹「モスクワ自由音楽の巨匠セルゲイ・レートフと名所ドムなど」
鈴木正美「ロシア・ジャズ研究の現状と課題」
報告と質疑応答をあわせて一人1時間30分程度を予定していますが、できるだけ討論に時間を割けるようにしたいと思います。皆様の積極的な発言に期待しております。研究会終了後は懇親会も開催致しますので、ふるってご参加下さい。
なお、参加費は無料ですが、参加される場合は必ず事前にご連絡ください。また、懇親会に出席される方は、1月24日(木)までに、必ず出欠をお知らせ下さい。懇親会費は1500円程度です。当日の差し入れなどは大歓迎です。
問い合わせ先
鈴木正美 TEL&FAX 025-262-7254
メール masami の後に @human.niigata-u.ac.jp を付して下さい。
プロジェクトのサイト:http://www.human.niigata-u.ac.jp/~masami/suntory/kai00.htm
2007年12月04日
ヤン・パトチカ
岩波の「思想」は毎月なんとなく手に取り、パラパラとめくって大体の傾向と内容を確認している。これはと思う論考に出くわしたときは、図書館に行き、必要箇所をコピーし、精読する。「思想」をまるごと書くのはせいぜい2年に1度くらいだろうか。先月のソシュール特集でさえ買わなかった。
ところが、今月の「思想」は一目見るなり、即「買い」だった。なにしろヤン・パトチカ特集だ。この機を逃すと一生読めないかもしれない。とりわけポール・リクールのパトチカ論と赤塚若樹の「20世紀チェコのアート・シーンーーヤン・パトチカを出発点として」が収録されているのだから、定価1800円も惜しくない。お買い得だ。
その他、年末で手元不如意なのに、また何冊も本を買ってしまい、財布はすっからかん。
『イリヤ・カバコフ自伝』みすず書房
坪井秀人『感覚の近代ーー声・身体・表象』名古屋大学出版会
宮本健次『図説 日本庭園のみかた』学芸出版社
田中貴子『検定絶対不合格 教科書古文』朝日出版社
最後の田中貴子の本は楽しくあっという間に読んでしまった。文部科学省のせいで教育の現場にいろいろな歪みが生じていることは、この本を読んでも明らかだ。先日、水月昭道『高学歴ワーキングプア』を読んだばかりなので、益々なやましくなってしまった。
『イリヤ・カバコフ自伝』は出版社がよく出したものだと感心した。訳者が鴻英良というのもうなづける。しかし、裏表紙にある言葉には眉をひそめてしまった。「本書は、これまでまったく知られることのなかったソ連邦時代の地下芸術家たちの実態を、みずからの心情とともに共感をもって謳いあげている」。いや、まあ、そうかもしれないけれど、少なくとも「芸術新潮」誌(1979年11月号)で「ソヴィエト反体制の画家」特集が組まれてから、ソ連邦時代の地下芸術家たちのことをある程度知っている日本人は何人かいたはずだ。それに、私の仕事なんてまったく無視ですか! と言いたい。
愚痴を言ってもしょうがない。もう少し生産的なことを考えることにしよう。
ところが、今月の「思想」は一目見るなり、即「買い」だった。なにしろヤン・パトチカ特集だ。この機を逃すと一生読めないかもしれない。とりわけポール・リクールのパトチカ論と赤塚若樹の「20世紀チェコのアート・シーンーーヤン・パトチカを出発点として」が収録されているのだから、定価1800円も惜しくない。お買い得だ。
その他、年末で手元不如意なのに、また何冊も本を買ってしまい、財布はすっからかん。
『イリヤ・カバコフ自伝』みすず書房
坪井秀人『感覚の近代ーー声・身体・表象』名古屋大学出版会
宮本健次『図説 日本庭園のみかた』学芸出版社
田中貴子『検定絶対不合格 教科書古文』朝日出版社
最後の田中貴子の本は楽しくあっという間に読んでしまった。文部科学省のせいで教育の現場にいろいろな歪みが生じていることは、この本を読んでも明らかだ。先日、水月昭道『高学歴ワーキングプア』を読んだばかりなので、益々なやましくなってしまった。
『イリヤ・カバコフ自伝』は出版社がよく出したものだと感心した。訳者が鴻英良というのもうなづける。しかし、裏表紙にある言葉には眉をひそめてしまった。「本書は、これまでまったく知られることのなかったソ連邦時代の地下芸術家たちの実態を、みずからの心情とともに共感をもって謳いあげている」。いや、まあ、そうかもしれないけれど、少なくとも「芸術新潮」誌(1979年11月号)で「ソヴィエト反体制の画家」特集が組まれてから、ソ連邦時代の地下芸術家たちのことをある程度知っている日本人は何人かいたはずだ。それに、私の仕事なんてまったく無視ですか! と言いたい。
愚痴を言ってもしょうがない。もう少し生産的なことを考えることにしよう。
2007年11月27日
まぬけな私
学生には普段から「図書館をもっと利用しなさい」と言っておきながら、自分はなかなか図書館を利用する暇がない。原稿を書くときに必要な本をまとめて借り出すことが一ヶ月に一度くらいだろうか。
ここの図書館にはロシア関係の学術誌がろくにない、とこの3年間嘆いていた。実際にロシア語の雑誌は「アガニョ−ク」と考古学関係の3タイトルのみで、文学雑誌などまったくない。「新文学評論」「アリオン」「芸術雑誌」の3誌は個人的に購入している。東京のどこかの大学でロシア文学研究をするのならいざ知らず、このような状況では基本的な情報収集さえおぼつかない。インターネットがあるじゃないかと言う人もいるだろうが、私は基本的に紙媒体しか信用しないので、インターネットはあくまでも情報検索のツールでしかない。
今日、なんとなく図書館のホームページから「電子ジャーナル」にアクセスした。おお、あるじゃん!
Russian Review
Slavic Review
The Slavonic and East European Journal
の3タイトルのバックナンバー。Russian Literature がないのは仕方がないとして、この3タイトルだけでもあるだけ有り難い。紙媒体ではないが、出所ははっきりしているし、PDFからプリントすればいいのだから、何も問題はない。
しかし、この電子ジャーナルの存在を無視して、3年間も中身を見ようとしなかったのだから、私はつくづくまぬけである。デジタル嫌いをあらためなくては。
Russian Review. January 2007 - Vol. 66 からさっそくアレクサンドロフ監督作品「サーカス」に関する論考3本をゲット。どれも面白そうだ。かつて一橋、早稲田、筑波の大学図書館でいくつもの新聞、雑誌、学術誌を毎週チェックしては、せっせとコピーしていた時の感覚がよみがえる。そして読むのだ。ひたすら。これはこれで至福の時。
楽しいなぁ。
ここの図書館にはロシア関係の学術誌がろくにない、とこの3年間嘆いていた。実際にロシア語の雑誌は「アガニョ−ク」と考古学関係の3タイトルのみで、文学雑誌などまったくない。「新文学評論」「アリオン」「芸術雑誌」の3誌は個人的に購入している。東京のどこかの大学でロシア文学研究をするのならいざ知らず、このような状況では基本的な情報収集さえおぼつかない。インターネットがあるじゃないかと言う人もいるだろうが、私は基本的に紙媒体しか信用しないので、インターネットはあくまでも情報検索のツールでしかない。
今日、なんとなく図書館のホームページから「電子ジャーナル」にアクセスした。おお、あるじゃん!
Russian Review
Slavic Review
The Slavonic and East European Journal
の3タイトルのバックナンバー。Russian Literature がないのは仕方がないとして、この3タイトルだけでもあるだけ有り難い。紙媒体ではないが、出所ははっきりしているし、PDFからプリントすればいいのだから、何も問題はない。
しかし、この電子ジャーナルの存在を無視して、3年間も中身を見ようとしなかったのだから、私はつくづくまぬけである。デジタル嫌いをあらためなくては。
Russian Review. January 2007 - Vol. 66 からさっそくアレクサンドロフ監督作品「サーカス」に関する論考3本をゲット。どれも面白そうだ。かつて一橋、早稲田、筑波の大学図書館でいくつもの新聞、雑誌、学術誌を毎週チェックしては、せっせとコピーしていた時の感覚がよみがえる。そして読むのだ。ひたすら。これはこれで至福の時。
楽しいなぁ。

